2009 Fiscal Year Annual Research Report
IPCCにおける評価手法に基づいた森林の減少・劣化による二酸化炭素排出量評価
Project/Area Number |
09F09776
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
BRAIMOH Ademola Hokkaido University, サステイナビリティ学教育研究センター, 特任教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LU Heli 北海道大学, サステイナビリティ学教育研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | REDD / 土地利用 / spectral mixture analysis |
Research Abstract |
陸域生態系による二酸化炭素の吸収・排出は次世紀の地球温暖化にとって重要な役割を果たすと考えられている。本研究の目的は,(1)森林の減少・劣化を考慮した地域的な炭素排出量のモニタリングと検証・報告(MRV)、(2)科学的根拠に基づいた経済利益の検証である。これまで、発展途上国の土地利用・土地利用変化及び林業部門(LULUCF)のカーボン・オフセットが十分考慮されてこなかったが、COP7マラケシュ合意(2001)以降、政府間パネル(IPCC)における交渉によって評価手法の検討が行われてきた(Penman et al.2003 ; IPCC 2006)。本研究では、インドネシア等を事例としてIPCC評価手法に基づいた検証を行う。生物物理的データおよび社会経済データを用いてBookkeeping model(Houghton)による統合的な解析を行い、インドネシア地域における適正な森林管理の提言を行うことを目的としている。 2009年9月から12月にかけて、主要な論文のレビューを行い、土地利用と炭素排出の関係およびREDDを背景とした新たな土地利用の予測について考察を行った。より具体的な手法としてはspectral mixture analysis(SMA)を用いたリモートセンシングデータからの森林減少地域の抽出、IPCCガイドラインに基づいた時系列な炭素固定量の算出、NPV(正味現在価値)および機会コストの推定が必要であることが認識された。これらの解析手法を念頭に置き、調査対象域の時系列のリモートセンシングデータを収集し、森林域の抽出、推移モデルの構築を行った。 また調査地域ではオイルパーム植林の増加が顕著な地域である。植林による経済効果の検証およびREDD導入による効果的な土地利用政策の提言が緊急の課題である。2009年12月にコペンハーゲンで行われたCOP15に出席し、気候変動下の土地利用政策について議論を行った。 2010年1月から3月にかけては、COP15での議論をもとに解析手法を見直し、中間報告を北海道大学および国連大学高等研究所において行った。
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