2009 Fiscal Year Annual Research Report
電子顕微鏡による細菌べん毛など生体超分子の構造解析
Project/Area Number |
09F09783
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
難波 啓一 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RUAN Juanfang 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | べん毛 / 構造解析 / トモグラフィー |
Research Abstract |
細菌の運動器官であるべん毛は、細胞外に細長く伸びたらせん型繊維のべん毛と、その根元の細胞膜を貫通する構造の基部体からなり、基部体は回転モーターとして、べん毛繊維はらせん型プロペラスクリューとして働く。べん毛モーターは、細胞膜を貫通する固定子と回転子の間でトルクを発生するが、固定子がイオンチャネルとして働き、そのチャネルを通して細胞外から細胞内へ流れる水素イオンやナトリウムイオンのエネルギーによって回転を駆動する。モーターは直径40nm程で、1分間に2万回から10万回も回転する高速モーターである。この研究の目的は、極低温電子顕微鏡を用いた画像解析法により、モーターの様々な状態の立体構造を解析することにより、べん毛モーターのトルク発生や回転方向スイッチのメカニズムを解明することである。 今年度はまず、基部体やその部分複合体の単離精製と極低温電子顕微鏡観察の技術習得から始めた。低温電子顕微鏡観察による立体像解析にも、単粒子像解析法やトモグラフィーなど様々な手法があり、今年度はトモグラフィーによる立体像解析技術を習得した。そして、その技術をサルモネラ菌べん毛や、フランスの共同研究者から構造解析の依頼を受けた磁性細菌のユニークなべん毛構造に応用し、立体像の再構成を試みている。
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Research Products
(1 results)