2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本のテレビゲーム産業における技術革新のマネジメントと競争優位性の研究
Project/Area Number |
09F09784
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬場 章 The University of Tokyo, 大学院・情報学環, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ERNQVIST Mlrko Orjan Elias 東京大学, 大学院・情報学環, 外国人特別研究員
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Keywords | テレビゲーム / ビデオゲーム / イノベーション / 技術革新 / マネジメント |
Research Abstract |
平成21年度は、研究環境と資料基盤の整備を進めた。すなわち、統計作業を行うためのパーソナルコンピュータと解析ソフトを購入して、それぞれセットアップを行った。また、分析対象となる基礎資料の収集を進めて、年鑑や白書類など年次統計資料や月並統計資料を購入し、それらの解析を開始した。同時に、産業団体とゲーム会社に対してヒアリング調査を行い、統計結果の解釈をさらに深化させた。平成21年度の分析のポイントは、Wii、プレイステーション3、ニンテンド-DS、プレイステーションポータブルなど、いわゆる現世代のゲーム機の発売以来時期を対象として、日本市場におけるテレビゲーム機とテレビゲームソフトの技術革新の要因と、その結果としての販売動向を解明することであった。任天堂ののWiiやDSは、ゲームプレイの楽しさ面白さの追及に重点が置かれ、技術としては安定していた加速度センサーや二画面表示システムとタッチパネルを採用している。他方、ソニー・コンピュータエンターテンメントのPS3やPSPはコンピュータとしての性能の向上に重点が置かれ、コアシステムの採用によりゲーム機の演算処理能力を飛躍的に向上させた。このような各ゲーム機の開発傾向の相違は、ユーザー階層の拡大と分化を生んだ。すなわち、前者においては従来ゲーム機を使用していない性別・年齢層へ市場を拡大させ、後者においては、高性能・高精細を好むコアプレイヤーに迎えられた。とくに、ニンテンド-DSとDS用ゲームソフトは、従来のゲーム機やゲームソフトとは異なり、長く売れ続けるという販売曲線を示した。しかしながら、平成21年度は世界同時不況の影響から脱しきれず、日本市場の飽和とシュリンクをもたらしていることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)