2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09792
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 周 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
EURENIUS Karinh E.J. 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | プロトン伝導 / SOFC / 電極材料 / カソード材料 / BaO / PrOx / ZrO_2 / 欠陥化学 |
Research Abstract |
本年度は,これまでに報告されてきたプロトニクス材料酸化物のみならず,固体酸,高分子材料をも含めて幅広く調査を行い,新規酸化物の方向性を検討することを目的とし,主に文献調査を行った.その結果,これまでの多くの研究が高いプロトン伝導性を追求してきたこと,それに反して水素分離膜やプロトン伝導体を用いた固体酸化物型燃料電池(SOFC)で必要となるプロトン-電子(ホール)混合伝導体に関する研究がほとんど行われていないこと,そのために電子伝導性にマスクされた高いプロトン移動度を有する物質群を見逃してきた可能性があることを指摘した.以上の調査からプロトン-電子混合伝導体の開発を目的とすることにした.また,これを実現する方法として,(1)プロトン伝導と電子伝導をになう2種類のイオンの形成する酸素多面体ネットワーク上で両性サイトパーコレーション伝導により実現させる方法と,(2)電子伝導を有するナノ粒子の表面にプロトン活性を誘起させてナノコンポジット体で電子伝導とプロトン伝導ネットワークを形成するナノコンポジット法,の2種類の可能性を見いだした.前者では,両性パーコレーションを実現できる物質系としてBaZrO_3(プロトンマトリックス)-BaPrO_3(電子伝導性ネットワーク形成)系が相互溶解度が高く,必要なパーコレーション閾値を満たすことがわかった.また後者では,ナノ粒子表面ならびに界面に存在するOH基および吸着水による界面プロトン伝導性を電子伝導性酸化物ナノ粉末で実現する方法であり,表面のプロトン活性を誘起する化学ドーパントによる修飾について検討することとした.
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