2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09792
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 周 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
EURENIUS KarinhE.J. 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | プロトン伝導 / SOFC / 電極材料 / カソード材料 / BaO / PrOx / ZrO_2 / 欠陥化学 |
Research Abstract |
本研究では特にプロトン伝導型固体酸化物燃料電池のためのプロトン-電子(ホール)混合伝導性を有する新規酸化物カソード材料開発の方向性を検討する.特に,プロトン-電子混合伝導性を両性サイトパーコレーション伝導により実現させる. 平成22年度においては,主にバルクでのプロトン-電子混合伝導性を有する酸化物材料に関する基本的電気化学特性について検討を行った.プロトン伝導性を有するBaZrO_3系とホール伝導性が支配的なBaPrO_3系が広い範囲でペロブスカイト構造の固溶体(BaZr_<1-x>Pr_xO_3)を形成することを利用して,ZrおよびPr酸素八面体ネットワークによるサイトパーコレーション型のプロトン-ホール両立性伝導を実現させることを試みた.まず実験に先立って,Pr^<3+>/^<4+>の混合原子価を有するイオンをB-サイトに含む系におけるH2_O及びO_2の化学ポテンシャルをインデックスとして3次元の欠陥濃度を描いた(SSPC-15において発表).次に,高温粉末X線回折によりBaZrO_3-BaPrO_3系の相転移を観察し,Pr組成と温度の関数として相図の概略図を作成した.BaPrO_3では低温で2種類の斜方晶から菱面体晶,立方晶へと相転移が起こるが,X線回折パターンにおける変化は非常に小さいため高温Raman分光測定による予備測定を行い,より精密な評価が可能であることを確認した.また.高エネルギー加速器研究機構(KEK)フォトンファクトリーにおいて,軟X線吸収分光ならびに共鳴光電子分光測定によるBaZr_<1-x>PrxO_3系固溶体の電子構造観察を行った.
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