2009 Fiscal Year Annual Research Report
非線形粘性ダンパーを設置した多自由度構造体の確率統計的風応答解析手法
Project/Area Number |
09F09794
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
田村 幸雄 Tokyo Polytechnic University, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BARONE Giorgio 東京工芸大学, 工学研究科, 外国人時別研究員
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Keywords | 粘性ダンパー / 風荷重 / モンテカルロシミュレーション / ARCアルゴリズム / fractional calculus |
Research Abstract |
本研究の主な目的は風荷重を受ける多自由度構造物における最適な粘性ダンパーの配置を決定するための新たな手法について検討することである。これまで,エネルギー吸収装置によるパッシブな振動制御は多く行われている。近年,地震力および風力に対する構造物の応答を低減させため粘性ダンパーが多く適用されているが,粘性ダンパーを有する構造物の風荷重に関する解析は,ダンパーおよび風圧の非線形性により,いくつかの問題点が指摘されている。また,3次元の有限要素法により外力およびダンパーの配置を考慮した多様なケースが検討されているが,計算に多くの時間と労力が必要となる。しかし,風速分布は本質的に統計的性質を有しており,これまでにターゲットとするパワースペクトルを有する風速分布をシミュレートするいくつかのモデルが提案されている。そこで,本研究では風力に対する粘性ダンパーの解析において統計解析を用いる。また,地震荷重に対して粘性ダンパーの最近の知見をベースとして,斜長橋と高層建物を研究対象として,多自由度構造物における最適な粘性ダンパーの配置を決定するための新たな手法の検討を行う。平成21年度は11月から研究期間が開始し,実質4カ月程度の研究実施期間であったため,下記の2項目に関して重点的に研究を実施した。1項目目として,建築物,長大橋梁へ適用されている粘性ダンパーのモデリング,粘性ダンパーを有する構造物の風応答および地震応答解析,風荷重の確率統計的シミュレーション,非線形性を有する構造物の風応答解析などに関する既往研究の文献調査および問題点の検証を行った。また,2項目目として,モンテカルロシミュレーションより得られた風荷重を受ける,粘性ダンパーを有する1自由度系構造物の応答に関する確率特性の把握,風速のARCアルゴリズムまたはfractional calculusによるシミュレーションの検討を行った。
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