2009 Fiscal Year Annual Research Report
新素材と日本の伝統的なデザインを使い、複雑な形を構築するためのシステムを研究
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09F09795
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
隈 研吾 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIOTTA S.-J.A. 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | デジタル建築 / 無形文化保護 / 日本の伝統的な文様 / 家紋 / 日本製新素材 / デジタル幾何学分解的システム / 3Dスキャナー / 3Dプリンター |
Research Abstract |
日本の伝統的な文様と家紋などと日本製新素材を用いて複雑な立体形状を作るためのデジタル幾何学分解的システムに関する研究。 昔から建築分野においてはモチーフと文様などの問題について議論されることが多い。 デジタル建築によって文様についての新しい理論が生まれつつある。その上、文様は新しい建築において役立つため、新しい保護の方法の可能性が広がっている。 2003年、ユネスコ総会で採択された「無形文化遺産保護条約」の第2条では、「無形文化遺産とは、慣習、描写、表現、知識及び技術並びにそれらに関連する器具、物品、加工品及び文化的空間であって、社会、集団及び場合によっては個人が自己の文化遺産の一部として認めるものをいう」と定義している。 日本の伝統的な文様と家紋などの無形文化はまだ保護されていない。 ある日本の美的な文様は文化的と社会てきなアイデンティティを定義している。 例えば、日本人の家族には自家の家紋がある。また、建築分野の中で文様は、様々な使い方をされている。 レオン・バッティスタ・アルベルティの「建築論」では、文様は建物に美的要素を付加するために用いらていた。建物のボリュームせ骨組みを作ったうえで文様を付加するというプロセスである。 近代建築においては、文様は装飾であり、無意味なものとみなされ、あまり使われなくなった。 現在、文様はデジタル建築には非常に重要でて、デジタル建築設計のプロセスにおいて大事な要素である。アルベルティのプロセスのは逆転しつつある:文様、骨組み、建築関する。 現代において、文様は文化と芸術を総合することができる。またデジタル建築においては文様を起点として有機的で新しい建築をつくる可能性がある。 無形文化保護と設計のプロセスを総合して新しい建築が作れるようにするための研究である。
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