2011 Fiscal Year Annual Research Report
特異な電・磁場制御のための新しい機能性結晶材料の設計と作製
Project/Area Number |
09F09799
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
島村 清史 独立行政法人物質・材料研究機構, 光・電子材料ユニット, グループリーダー
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CASTEL E. (独)物質・材料研究機構, 光・電子材料ユニット, 外国人特別研究員
|
Keywords | 機能性単結晶 / メタマテリアル / 誘電率 / 誘電損失 / テラヘルツ |
Research Abstract |
近年て電場や電磁波、磁場などの相互作用がもたらす特異な物理現象、あるいはそれらの制御に関する研究が注目を集め始めている。本研究ではこれらのための新しい機能性結晶材料の設計と作製を目的とした。磁場の印加により電磁波の一つである光が影響を受け、それを制御することが近年特に光アイソレーターの分野で重要となっている。特にレーザー加工機による精密加工技術が進展しており、反射光を防止する目的に光アイソレーターが欠かせないデバイスとなってきた。これに適した材料として、本研究では優れた特性を有する新結晶TSLAG(Tb3(SC_<1-x>Lu_x)_2Al_5O_<12>)を開発し、その基礎物性の評価を中心に進めた。更に、エレクトライドとして知られるC12A7の圧電特性についても評価を進めた。 TSLAGでは直径1インチサイズの大型単結晶が容易に得られ、クラックも入らず安定であった。TSLAGにおいて設計通り各サイトへ各イオンの配置がなされているかを検証するため、Rietveld解析を行った結果、ほぼ設計通りであることがわかった。TSLAGは優れた透過率、大きなファラデー回転角を示した。これらの結果から性能指数を算出した結果、従来材料よりも大きなメリットが特性上得られることがわかった。更に高い品質の指標である消光比を測定した結果、市販品が35dBで、40dBを達成するのは極めて難しいといわれているが、TSLAGは42~46dBの値を再現性良く示した。こうしたことから、TSLAGは高出力化するレーザー加工機用の光アイソレーターデバイスに極めて適した材料であることが示された。 C12A7とCaO-Al_2O_3系相図で調和溶融するCAの2種類について、透明単結晶が得られた。C12A7からは圧電特性、誘電特性が観察された。誘電特性のアニール条件依存性を調べたところ、温度に依存した誘電緩和が観察され、誘電損失は成長結晶では極めて大きいが、アニールした場合大幅に減少した。圧電共鳴に関しても温度依存性を調べたところ、温度上昇に伴って増加する傾向が見られた。
|
Research Products
(1 results)