2010 Fiscal Year Annual Research Report
CFHTLSとすばるデータを用いた宇宙論と弱い重力レンズ
Project/Area Number |
09F09801
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
二間瀬 敏史 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
COUPON Jean 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 加速膨張 / 暗黒エネルギー / 測光的赤方偏移 / 銀河団 / すばる望遠鏡 |
Research Abstract |
現在の宇宙は加速膨張をしているという強い観測的な示唆があるが、その原因と考えられているのが、暗黒エネルギーである。この暗黒エネルギーの性質は現在の宇宙の加速膨張を説明するばかりでなく、宇宙の未来の運命にも大きな影響を与える。暗黒エネルギーの性質を観測的に決定する最も有効な方法の一つが、宇宙の大規模構造が背景銀河のケ状を組織的にゆがめる宇宙シアである。しかし宇宙シアの観測は、その効果が非常に小さいことから極めて難しく、多くの観測誤差を正確に評価しなければならない。その一つが背景銀河の赤方偏移分布である。研究分担者は、カナダ・フランス・ハワイ望遠鏡(CFTH)のデータの測光的赤方偏移による背景銀河の赤方偏移決定精度向上を行い、このデータを弱い重力レンズによる銀河団の探査に応用した。その結果、12000もの銀河団候補天体を発見し、これが銀河団探査に非常に有効であることを示した。また同時にこのデータが、赤方偏移が1以上の深い宇宙の大規模構造の質量分布観測にも利用できることを示した。 これらの成果は、すばる望遠鏡の次期主焦点カメラによる高赤方偏移銀河サーベイによって暗黒エネルギー観測を行う際に非常に参考になる。そこで研究分担者がCFHTデータ用に開発した測光的赤方偏移法を、すばる望遠鏡の主焦点カメラによるデータに応用する準備を行った。
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Research Products
(2 results)