2010 Fiscal Year Annual Research Report
セルロースナノファイバーの構造化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
09F09803
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢野 浩之 京都大学, 生存圏研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DLOUHA Jana 京都大学, 生存圏研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | セルロースナノファイバー / ポリビニルアルコール / 非晶性 / 結晶性 / 微細発泡 / 超臨界炭酸ガス / 超臨界炭酸ガス発泡 / 発泡径 |
Research Abstract |
昨年度までは、セルロースナノファイバーが均一に分散し、かつマトリックスとの高い相互作用を有するナノコンポジットの調整を目的として、脱リグニンおよび脱ヘミセルロースを行った木粉をグラインダー処理して、幅10-20nmのセルロースナノファイバーを製造した。これをポリビニルアルコール水溶液中に撹拌により均一に分散させた後、シャーレに移し、温度・湿度をコントロールしたチャンバー内でフィルムキャスト法によりナノコンポジットフィルムを得た。温度・湿度を種々変化させて最適な水分除去条件を検討することで、高い透明性を示すフィルムを得ることができた。このことにより、ポリビニルアルコール中にセルロースナノファイバーが均一に分散したナノコンポジットを製造する条件が明らかとなった。本年度は、このナノ材料について超臨界炭酸ガスを用いた発泡を行った。ナノファイバー率は1-10%の範囲で変化させ、炭酸ガス圧力を10MPaとして、150-180℃の温度範囲で解圧による発泡を試みた。また、可塑剤添加の効果、結晶性PVA・非晶性PVAの違い、ケン化度の違いに関する検討も行った。発泡処理試片の破断面観察から、発泡密度、発泡径を明らかにした。セルロースナノファイバーのネットワークが、PVAの発泡を抑制することにより、一例として、2.2wt%のセルロースナノファイバーを添加したPVAにおいて、平均1.4μmの発泡径で、発泡密度:1.26E+11, Porosity : 32.2の比較的均質な発泡体を得ることが出来た。
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