2011 Fiscal Year Annual Research Report
セルロースナノファイバーの構造化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
09F09803
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢野 浩之 京都大学, 生存圏研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DLOUHA Jana 京都大学, 生存圏研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | セルロースナノファイバー / ポリ乳酸樹脂 / 非晶性 / アセチル化 / 微細発砲 / 超臨界二酸化炭素 / 超臨界二酸化炭素発泡 / 発泡性 |
Research Abstract |
昨年度までは、セルロースナノファイバー(CNF)が均一に分散し、かつマトリックスとの高い相互作用を有するナノコンポジットでの微細発泡を目的として、CNF強化ポリビニルアルコールについて検討を進め、2.2wt%CNF添加において平均1.4μmの発泡径で、発泡密度:1.26E+11を達成した。今年度はこれらの成果を踏まえ、セルロースナノファイバー添加による非晶性ポリ乳酸樹脂の微細発泡を試みた。アセチル化処理によるDSは0.44とした。シート状試料の直線光透過率や破断面からアセチル化処理したCNFは無処理CNFよりポリ乳酸樹脂中に均一に分散していることが知られた。これらの試料については粘弾性特性を評価し、微細発泡挙動の解析の基礎データとした。60℃、12-20MPaで超臨界二酸化炭酸処理を行った後、一気に解圧した試料について破断面のSEM観察を行い発泡径、発泡密度を評価した。その結果、表面をアセチル化処理したCNFにおいて無処理CNFより小さな発泡径が得られ、9wt%のアセチル化CNF添加では、平均3.3μmの発泡径で発泡密度:5.6E+10の比較的均質な発泡体を得ることが出来た。また、試料の表面付近においてナノメートルオーダーのセルも観察された。このことから、今後、CNF添加量、表面化学修飾の種類と量、発泡核剤の添加、樹脂、発泡条件、等の検討を行うことで、ナノレベルの発泡径を有する高機能微細発泡体創成の可能性が示唆された。
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