2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09808
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
落合 理 Osaka University, 大学院・理学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEMMA Francesco 大阪大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ジーゲルモジュラー形式 / p進L函数 / オイラー系 / 肥田変形 |
Research Abstract |
今年度は,当研究課題のテーマであるジーゲルモジュラー形式の肥田変形に対する岩澤理論の研究の第一歩として,Perrin-Riou写像の構成についての研究に着手した. Lemma氏の以前からの研究によって,種数2のジーゲルモジュラー形式のL函数の特殊値と結びつく元がジーゲルモジュラー形式からくるガロア表現のp進的な族を係数にもつガロアコホモロジーの中に構成されている.この元の構成は目指す理想的なオイラー系には足りないが,ジーゲルモジュラー形式の場合にもオイラー系が存在するという予想を信じるに足りる部分的結果を与えている.一方で,非常に一般的な枠組みとしてガロア表現のp進的な族が存在したとき,それに対応してBloch-Katoのdual expollential mapのp進的な族が存在するだろうという期待がある.円分体の塔からくるような特別なガロア表現のp進的な族に対してはPerrin-Riouによってdual exponential mapのp進的な族の存在が示されていた.我々の研究で大切となるジーゲルモジュラー形式の肥田変形に対してもこの写像の構成は可能であろうという期待の下で研究に着手し,もっとも中心的な大事な補題をいくらかの技術的な補題を仮定した上で示すことができた.期待する主定理の証明の山場を越えた印象があり,引き続き時間をかけて満足のいく形でジーゲルモジュラー形式の肥田変形のPerrin-Riou写像の定理を仕上げたいまたこのような研究がより一般のガロア変形に関するPerrin-Riou写像の定理への展望を与えてくれると信じている.
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Research Products
(3 results)