2010 Fiscal Year Annual Research Report
インパクトを含む3次元非周期・多点接触動作の実時間生成
Project/Area Number |
09F09809
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 英一 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 連携研究体長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LENGAGNE Sebastien 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | 接触動作計画 / ロボット工学 / ダイナミクス / 区間解析 |
Research Abstract |
本研究では、環境との接触を積極的に利用する動作を生成するため、ロボットの関節軌道を区間多項式スプライン曲線で表現し、最適化手法を適用する手法を構築した。ヒューマノイドロボットに代表される多関節ロボットの動作生成の研究では、これまで、脚と環境との接触は考慮されるが、その他の部分と環境との接触については、むしろ回避する研究が中心であった。まず、最適化手法における連続的な等式・不等式制約も多項式で近似し、その極値の範囲を推定する方法を提案した。次に、多点接触に起因する接触力計の不静定性を解決するため、ロボットの関節軌道と他の最適化パラメータのみに依存する接触力の解析解を求める方法を導出した。これにより、多点接触に係る幾何的・動力学的な制約を満たし、かつ関節トルク制限などの動力学的な制約も考慮したうえで、エネルギー消費などの評価関数を最適化する動的な動作を生成することが可能となった。導出した動的な動作を、30関節以上を持つヒューマノイドロボットHRP-2に適用し、その有効性を検証した。脚と環境以外の接触を許すことで、これまでにヒューマノイドでは行われていないさまざまな動作を生成することができた。例えば、手を机について体を支えることで、通常より大きく踏み出す動作が可能となり、ボールを蹴る動作では、手をつかない場合に比較して50%もエネルギー消費を減らすことができた。また、机に手をついた着席動作、机の下に物を置くリーチング動作では、これまでの研究で行われていた静的に安定な姿勢のみを用いた手法では、足や手の接触位置の変更が多く、非常に時間がかかっていた。これらに提案手法を適用することで、自然かつ滑らかな動的動作により短時間でこれらを達成できることを示した。このように、これまでにヒューマノイドで行われていない接触を含む動作を行えるようになった点で、本研究の成果は意義深い。
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Research Products
(4 results)