2011 Fiscal Year Annual Research Report
インパクトを含む3次元非周期・多点接触動作の実時間生成
Project/Area Number |
09F09809
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 英一 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 連携研究体長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LENGAGNE Sebastien 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | 最適化 / ヒューマノイド / 接触動作計画 |
Research Abstract |
ロボットが実際の環境において作業を実行するためには、環境や対象物との接触が必要となる。特に歩行ロボットでは、環境との接触は避けるべきものとして動作生成手法が研究されてきたが、さまざまな作業を行えるようにするためにはこれらの接触を積極的に利用できるようにする必要がある。そこで、多点接触を行い、かつインパクトなどダイナミックなロボットの全身動作を生成できる手法を、最適化技法を用いて明らかにすることを目的として研究を進めた。 具体的には、まずロボットの軌道を各関節角の時間関数で表し、これを複数の多項式関数の重みつき和として表現した。これらの重み係数を最適化パラメータとして、制約のモデル化とロボットの動力学的安定性の考慮という新たな観点を追加して最適化技法を適用し、多点接触を行うロボットの全身動作軌道の生成を行った。この手法により、ヒューマノイドなどの実際のロボットや、仮想空間でのデジタルアクターに適用可能な、動力学を考慮した最適な多点接触動作を生成することが可能となった。さらに、最適化に課す制約を調節することで、障害のある歩行を生成することも可能であることを示した。これまで、等身大のロボットで多くの点で接触する動作を、人間が行うようにダイナミックかつスムーズ行わせた例はほとんどなかった。本研究では、等身大のヒューマノイドロボットHRP-2を適用例として用い、例えば手を机の上について体を支え、大きく踏み出したり、机の下に手を伸ばして箱に物を入れたりする動作や、また机に手をついて体を支えながら椅子に座る動作を、本課題の研究成果を用いることでダイナミックな運動として軌道を生成し、実機のロボットで動作することを確認した。これらの動作は従来研究では行われていなかった複雑なもので、研究成果がトムソン・ロイターにより取材を受け報道されるなど、内外からの注目を集めることとなった。
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Research Products
(4 results)