2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09813
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
小原 真司 Japan Synchrotron Radiation Research Institute, 利用研究促進部門, 副主幹研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TEMLEITNER Laszlo (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 外国人特別研究員
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Keywords | DVD / X線回折 / 逆モンテカルロ法 / リチウムイオン伝導 |
Research Abstract |
次世代電池電解質の有力な候補である超イオン伝導体(La-Li-Ti-0系)の粉末試料を合成し、大型放射光施設SPring-8のBL04B2(高エネルギーX線回折ビームライン)において高エネルギーX線回折実験を実施した。得られた回折パターンに対してリートベルト法により平均構造を決定し、結晶用に最適化された逆モンテカルロ(reverse Monte Carlo, RMC)シミュレーションコードRMCPOWを用いた構造モデリングにより、通常の結晶構造解析から導出することが困難な不均一分布するLiイオンの分布を捉えることを試みた。その結果、Liイオンのランダムな分布をできる限り再現した3次元構造・局所構造を構築し、さらにこれまで明らかになっていなかったLiイオンの伝導経路を可視化することに成功した。本成果は論文が学会誌に受理され、現在印刷中である。 一方で、DVD結晶材料の構造の理解を深めるために、結晶用の逆モンテカルロシミュレーションコードRMCPOWの高度化を試みた。具体的には計算機のグラフィックプロセッサ(GPU)を用いた計算の高速化とXAFS(X線吸収端微細構造)データにフィッティングするルーチンの導入である。これについては、まだ開発中であり成果報告できる段階ではないが、平成22年度に学会発表する予定である。
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