2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00001
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土井 一幸 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 非線型波動 |
Research Abstract |
本年度は、非線型光学などにおいて重要となる3次の非線型項を持つシュレディンガー方程式の定常解の安定性について研究した。特に、定数に平面波摂動を加えた初期値に対して、解がどのように振る舞うかという問題に着目した。これに先立ち、上述の初期値に対して解が存在するかどうかという基本的な問題が考えられるが、これについて、より一般的な状況が念頭におかれた結果をまとめた論文の掲載が決定した(下記論文[1])。まずはこの論文の概要を述べる。非線型項が3次を含むゲージ不変な冪乗型である非線型分散型方程式に対する初期値問題において、初期値が複数の平面波を持つ場合の変数分離解を得た。 さて、当初の問題については、3次の非線型項を持つシュレディンガー方程式の解を摂動級数展開の形で表示する試みを行った。このようなアプローチにより、解の振る舞いを支配しやすい項が解の振る舞いを支配しにくい項にどのように影響していくかを詳しく解析できるようになることを目指している。この考察により、非線型問題に潜む美しい構造を理解できる兆候が見えてきており、今後もこのような方針により、非線型波動場についての研究の進展を期待できる余地がある。 また、報告者の受入研究者である久保英夫氏と東北大学において2度の研究集会「青葉山勉強会」を開催した。そのうちの一回においては、非線型波動に関する数学的研究を行っている若手研究者を招き活発な議論が行われた。一方の回では、流体に関する方程式について、数学の研究者のみならず工学を専門とする研究者とも交流を行った。
|
Research Products
(1 results)