2011 Fiscal Year Annual Research Report
抗MRSA活性を有する新規天然物群の全合成研究と創薬研究
Project/Area Number |
09J00005
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小嶋 康裕 北里大学, 大学院・感染制御科学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 抗MRSA活性 / Dotz反応 / 鈴木-宮浦反応 / ビフェニル / テトラセン骨格 / キノン |
Research Abstract |
MRSAは代表的な楽剤耐性菌であり、すでに既存の抗菌楽に対する耐性菌も出現し又いる。このことから耐性菌の薬剤耐性機構を標的とする、新規抗MRSA治療薬の開発が急務とされている。そのような背景の中、北里生命科学研究所においてβ-ラクタム剤耐性機構を標的とした新規阻害剤の探索が行われた結果、Naphthacemycin類(17種の新規化合物)が単離された。単離された天然物に全て、0.5ug/mlの併用によってイミペネムの抗MRSA活性を増強し、そのうちいくつかの天然物は単独で抗MRSA活性を有することがわかっている。 本研究の最終到達点は、薬剤耐性機構を克服した新規抗MRSA薬の創製である。即ち,単離された化合物群の誘導体を合成することで天然物より優れた化合物を創製することである。天然物から直接誘導化できない化合物については全合成中間体に対し必要な官能基を組み込むことでその誘導体合成を目指す。また、誘導体を合成することで構造活性相関、作用機序の解明も行う。 以上のことからNaphthacemycin類の全合成研究に着手した。これらの天然物のうち抗MRSA活性が強く、X線結晶構造解析により相対構造の決定しているnaphthacemycin-A_9をターゲットとした。まず、全合成に先駆けてnaphthacemycin-A_9のモデル化合物の合成を行い、モデル化合物等価体の合成に成功した。続いて、モデル化合物の合成研究から得た知見を活かし、naphthacemycin-A_9の合成に着手した。それぞれ合成したD環ユニットとE環ユニットから調製したクロムカルベン錯体に対し、アルキン体とのDotz反応を行いC環を構築後、鈴木カップリングによりA環ユニットを導入した。次に、酸性条件化Friedel-Crafts反応によりスピロ環を構築した後にキノンへの酸化、B環の再構築を行いナフタセン骨格を構築した。最後にベンジル位へのケトンの導入、官能基変換を行うことで(±)-naphthacemvcin-A_9の初の全合成を達成した。
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Research Products
(2 results)