2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00084
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山崎 弘恵 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | モデル開発 / 大気モデル / 数値実験 / 超高解像度 / 急峻地形 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地形が急峻になりやすい超高解像度においても、大気現象の高精度な再現が可能な次世代超高解像度大気モデルを開発することである。二年度目である本年度は、カットセルの水平鉛直混合結合アルゴリズムと、それを実装した2次元大気領域モデルによる急斜面まわりの山岳波再現実験に関して、一年度目にアメリカ気象学会のMonthly Weather Review誌に投稿した論文が受理・出版され[Yamazaki and Satomura 2010]、同論文の内容に関して国内外の学会で口頭発表を行った。特に2010年7月にベルリンで開催された、大気・海洋モデリングのためのカットセル法に関する国際ワークショップにおいては同論文の内容に関する招待講演を行った。 次に、これまで本研究で開発してきた2次元大気領域モデルにおいて、境界層の解像のために高い空間分解能が必要な地表面付近の格子を効率的に細密化するため、ブロック構造のメッシュを用いた局所格子細密化手法を開発した。この際、各ブロックの大きさに関わらず同じ数の格子を用いることによってブロック毎の計算のロードバランスを均一にし、並列計算を容易にした。また、格子間隔の異なるメッシュ間のフラックス計算に独自の工夫を加えることにより、局所細密化格子上でもモデルの質量保存生が維持されるようにした。開発した手法をモデルに導入し、急峻な半円形状の山岳まわりの流れの2次元再現実験を行った結果、モデルは急斜面まわりの流れを局所細密化格子上でも精度良く再現し、かつ領域全体を細密化したモデルと比較して計算コストを著しく節約できることを示した。さらにこれらの結果は国際学術誌に投稿済みであるなど、今年度も順調に研究成果を挙げることができた。
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Research Products
(4 results)