2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本における遠隔診療の空間特性-供給者と受容者の関係を中心として-
Project/Area Number |
09J00133
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
朴 秀京 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 遠隔医療 / 地域特性 / 供給者と受容者 / 大都市圏 / 都市圏の周辺部 / 遠隔医療の地域性 |
Research Abstract |
本研究は、日本の遠隔診療の供給者と収容者の関係に着目し、地域的な特性を基にして、そのネットワークを明らかにすることが目的である。去年の本研究結果によると、日本の遠隔診療は3次医療圏を中心として利用されており、地方、大都市周辺部、大都市における遠隔診療に、はっきり分類することができ、その利用はそれぞれ地域差を有している。今年の研究はその中で大都市周辺部と大都市における遠隔診療の具体的なネットワーク関係を比較した。大都市周辺部における遠隔診療の事例として千葉県の東金病院(供給者)と東金市のクリニック(収容者)の遠隔診療を調査した結果、大都市周辺部の遠隔診療は地域的な不平等(大都市と近い地域と遠い地域)により、遠隔診療を積極的に取り入れているところと取り入れていないところに区別される。すなわち、遠隔診療のネットワークは患者の利便性が良い2次医療圏が中心となっており、遠隔診療を推進する組織も地域医療と親密な協力を構築し、地域の患者と医療関係者の要求に応じた医療サービスを支援している。たとえば、糖尿病の患者を専門に扱う遠隔診療システムの導入がその一例である。一方、大都市における遠隔診療は、病院より企業で積極的に事業化していることが一般的な形態である。結論として、遠隔診療のネットワークはさまざまな経路で連携されており、特に、医療関係者の理解と医者間の紹介が遠隔診療を普及する上で重要である。そして、国内遠隔診療支援の以外に、専用ネットワークを利用し、他国の医者に診断を依頼している。これからの日本の遠隔診療の発展を考えれば、単純な治療目的より、地域住民の総合的な医療管理を目的とする医療データの役割が大きくなると予想できる。本研究の結果を元にして、地域差による遠隔診療のネットワークの格差を是正することができ、有用な研究として利用されることを期待できる。
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Research Products
(6 results)