2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00172
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
黒板 翔 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 3核子力 / 陽子・重陽子分解反応 / 微分断面積 / 短距離型3核子力 / 相対論的効果 |
Research Abstract |
本研究の目的は、理論的に存在が予測されているρ中間子を介した3核子力(短距離型3核子力)を、世界で初めて実験的に発見し、且つその強度に関する知見を得る事である。本研究では、修士課程での研究結果を基に、入射陽子エネルギー250MeVにおける陽子・重陽子分解反応の微分断面積測定を用いる事で研究目的の達成を試みる。 今年度は、上記の実験を大阪大学核物理研究センターにおいて行った。具体的には、リングサイクロトロンにより250MeVまで加速された陽子ビームを液体重水素標的(純粋な重陽子標的)に照射する事で陽子・重陽子分解反応を起こし、反応陽子2つをスペクトロメータと各種検出器を用いて検出した。本実験より求めた微分断面積の速報的結果は、前方角度において既に良く知られている2π交換型3核子力を含んだ理論計算は再現されなかった。この事実は、前方角度において短距離型3核子力の効果が大きく効いている事を示唆していると考えられる。 また、本結果は2つの国際学会にて既に報告しており、国内外の理論研究家の方々に非常に興味を持って頂いている。現在は、理論研究家の方々に短距離型3核子力の効果を含んだ理論計算を依頼し、実験結果について議論を行っている。
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Research Products
(3 results)