2009 Fiscal Year Annual Research Report
小型化抗体による植物二次代謝産物生合成制御メカニズムの解明と育種への応用
Project/Area Number |
09J00184
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂元 政一 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | セイロンマツリ / プルンパジン / アグロバクテリウム |
Research Abstract |
本研究では、抗Plumbagin(PL)小型化抗体(PL-scFv)遺伝子を用いたセイロンマツリのイムノモジュレーションを実施し、さらに組換え体中のPL代謝産物を精査することで、scFvによるPL生合成制御メカニズムを解明することを目的とし、第一年度は、1)植物発現用バイナリーベクターの構築、及び2)アグロバクテリウム法を用いた形質転換セイロンマツリの作出に取り組んだ。 1)植物発現用バイナリーベクターの構築PL-scFv遺伝子を組み込んだ大腸菌発現用pET28aベクターにインベルターゼをコードするSUC2遺伝子を組み込み、SUC2-PLscFv/pET28aベクターを構築した。更に、構築したベクターをテンプレートとし、PCRを行うことでSUC2-His tag-T7 tag-PLscFv-KDEL遺伝子を増幅した。増幅後の遺伝子は、精製、制限酵素処理後、バイナリーベクター(pBI121)へと組み込んだ。また、宿主セイロンマツリ内でのPL-scFvの挙動を詳細に検討する目的でPL-scFvのN末端に緑色蛍光タンパク(AcGFP1)を融合した遺伝子(AcGFP-PLscFv)の作製にも成功し、PL-scFvと同様の手法を用いてpBI121へと組み込んだ。 2)アグロバクテリウム法を用いた形質転換セイロンマツリの作出構築したバイナリーベクター上のcDNA領域は、helper plasmidを介したTri-parental mating法によりA.rhizogenes(ATCC15834)及びA.tumefaciens(LBA4404)に導入し、これらをセイロンマツリに感染させることでPL-scFv遺伝子及びAcGFP-PLscFv遺伝子の発現を検討した。A.rhizogenesを介して感染させた茎部は、感染後4-6週目において20程の毛状根が観察できたが、その毛状根を用いてdirect PCRを行った結果、1株においてのみPL-scFv遺伝子を確認した。また、A.tumefaciensを介して感染させた茎部においては、まず培地条件の検討を行った。その結果、合成オーキシンであるナフタレン酢酸(NAA)とカイネチン様植物ホルモンのベンジルアミノプリン(BA)の組み合わせがカルス・シュート形成に適していることが判明した。現在、最適化された培地で培養中である。
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Research Products
(6 results)