2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁気アシスト型静電閉じ込め核融合を用いた汎用小型中性子源の開発
Project/Area Number |
09J00201
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
富安 邦彦 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 静電閉じ込め核融合 / 中性子源 / 粒子シミュレーション / 磁気アシスト / プラズマ |
Research Abstract |
本研究で提案する磁気アシスト型静電閉じ込め(MEC)核融合装置に関して,計算機シミュレーションと試作機による実験との両面から,その基礎特性および可能性を評価した。数値計算では,モンテカルロ衝突機構を考慮した粒子シミュレーションコードを作成し,MEC装置の動作条件依存性を計算した。その結果,ガス圧力の低下とともに閉じ込め性能が改善することを示した。しかしながら,空間電荷制限によりイオン密度が制限されることがわかった。装置内で起こる核融合反応は,ビームー陰極反応が支配的であるという結果を得た。ビームーバックグラウンド反応とビームー陽極反応は同程度であり,ビームー陰極反応の10分の1程度であった。ビームービーム反応はこれらよりもずっと小さかった。また,中性子生成率の電圧,電流,ガス圧力,磁束密度依存性について明らかにした。実証実験では,100mTまで発生可能な小規模実験装置を試作し,放電特性および中性子生成率の動作条件依存性を調べた。従来の装置よりも動作圧力を10倍以上低減することが可能となった。中性子生成率に対する電流およびガス圧力依存性は,シミュレーションで仮定した電極内の重水素密度を修正することで,実験値と計算値が比較的よく一致した。一方,磁束密度依存性については明確な傾向が得られなかったが,これはイオン源プラズマにおけるイオンの構成比に起因するものであることが示唆された。得られた最大の中性子生成率は,-15kV,2mAの動作において2.6x10^3s^<-1>であった。従来のIEC装置と比較した結果,MEC装置はIEC装置と同等以上の性能を有することがわかった。現実的な可能性として,-100kV,10mAの動作に置いて1.6x10^8s^<-1>の中性子生成率が得られる見込みを得た。
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Research Products
(1 results)