2009 Fiscal Year Annual Research Report
線虫におけるGタンパク質を介した新規温度受容機構の解析
Project/Area Number |
09J00231
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡崎 史子 Nagoya University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 線虫 / Gタンパク / 感覚 / 温度受容 |
Research Abstract |
宇宙空間に数多ある他の惑星と違い、地球に多様な生命が存在できるのは、生命活動に適したきわめて狭い範囲で温度が保たれているためである。温度はあらゆる生体反応に直接関与するため、環境中の温度を感知することは、全ての動物にとって非常に重要な能力である。本研究は、生命現象の観察に極めて適したモデル生物である線虫C.elegansの温度走性行動を用いて、Gタンパクαサブユニットを介した温度受容に関わる新規分子の同定、および機能の解析を目的としている。 これまでの研究において、Gタンパクを負に制御する因子であるRGSの遺伝子の変異体は温度走性行動に異常を示し、温度情報が哺乳類の視覚や嗅覚系と同様にGタンパクとcGMPを介して伝達されることが示唆されている。しかし、温度受容体そのものや、シナプスへの情報の伝達機構など、その経路には未だ解明されていない部分が残されている。本研究者らはGタンパクを介した温度情報の伝達機構を明らかにするため、RGSの変異体が示す温度走性の異常を抑圧する新規変異体の単離と解析を行った。新規変異体の中には、すでに温度走性に関与することが知られている遺伝子の変異体も存在した。 原因遺伝子が判明していない新規変異体1系統について、遺伝学的解析を行い、原因遺伝子の染色体上の位置を特定した。加えて、当該系統について、大量の塩基配列を解読することができる次世代シーケンシング技術を利用して、候補となる遺伝子を決定した。
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Research Products
(2 results)