2009 Fiscal Year Annual Research Report
単一分子検出の可能な超高感度カーボンナノチューブ多項目バイオセンサの開発
Project/Area Number |
09J00239
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 泰己 Osaka University, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 電界効果トランジスタ / バイオセンサ |
Research Abstract |
本研究の目的は、パーソナルQuality of Life(PQOL)システムやμTASの実現に向け、微小流路を有する単一分子検出の可能な超高感度ラベルフリーCNTFET型バイオセンサとCNT単一電子トランジスタ型バイオセンサを開発し、それを定量的に評価することである。そのために必要なCNTの安定性問題の改善、つまりノイズの低減を交流(AC)測定を用いることによって行った。同時に、AC測定がセンシング動作に及ぼす効果を調べた。具体的には、ロックインアンプを用いてCNTFETのソース・ドレイン電極にAC電圧を印加し、その電流-電圧特性を測定した。結果としてドレイン電流の変動を大幅に低減することに成功した。またこの測定法をセンシングに応用することにより、pHを高分解能で計測することに成功した。そして直流測定では困難な極低濃度のタンパク質を検出することに成功した。 一方で、CNTFETは大気・溶液中では通常p型伝導を示すため、マイナスに帯電した物質を測定するのが困難であるという問題があった。この問題を解決するために、溶液中でn型伝導を示すn型CNTFETの開発を行った。これは従来の方法で作製したCNTFET上にシリコン窒化膜(SiN_x膜)を堆積し、カーボンナノチューブ-電極領域をSiN_x膜で覆うことにより達成した。このn型CNTFETを用いることにより、マイナスに帯電したタンパク質を検出することに成功した。そして従来のp型CNTFETと組み合わせることにより、プラス電荷とマイナス電荷の相補的検出に成功した。 これらの成果により、多種多様な物質を高感度に測定することが可能となる。
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Research Products
(4 results)