2009 Fiscal Year Annual Research Report
フランスにおける聖地巡礼/ツーリズムを事例とする現代宗教の変容・再構築の研究
Project/Area Number |
09J00243
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡本 亮輔 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 聖地 / 巡礼 / ツーリズム / 現代宗教 / 世俗化 / 儀礼 / フランス |
Research Abstract |
本研究は「世俗化以後の現代宗教の変容と再構築」という問題意識の下に、フランスを中心とする現代西欧の聖地巡礼/ツーリズムの比較研究を行うことを目的としているが、本年度の達成は以下の通りである。本年度は、フランスのエキュメニズムの修道院「テゼ共同体」の調査および資料収集を主眼とした。調査方法としては参与観察を重視し、巡礼者たちのミクロレベルでの相互作用に注目した。テゼ共同体の世界的な広がりを認識するために、フランスだけではなく、日本の東京都、京都府、仙台市、静岡市などにおける礼拝儀礼の調査も行った。また具体的成果として、テゼ共同体についての査読付論文を発表した。テゼ共同体はきわめて著名な集団でありながら、これまで本格的な社会科学的調査は行われておらず、本研究はその先駆であると言える。特に映像人類学的方法論を用いることで収集した視覚資料は今後参照される可能性が高いものと自負している。次に、現代聖地巡礼の多様性を把握するために、サンティアゴ・デ・コンポステラ巡礼の調査および資料収集も行った。サンティアゴ巡礼は20世紀末から盛んになってきたもので、やはり本格的な調査研究は行われているとは言えない。本年は、特に日本における巡礼互助組織「NPOカミーノ・デ・サンティアゴ友の会」の動向把握を重点的に行い、同組織への参与観察を行った。同時に、サンティアゴ巡礼に関する文献的調査も行い、現代巡礼としてのサンティアゴ巡礼のあり方を把握することに努めた。
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Research Products
(5 results)