2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウェアラブルコンピューティングのための行動認識技術に関する研究
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09J00249
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村尾 和哉 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC2) (50609295)
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Keywords | ウェアラブルコンピューティング / ウェアラブルセンサ / 行動認識 / 低消費電力 / 国際情報交換 / ドイツ |
Research Abstract |
本年度は,ウェアラブルコンピューティングのための行動認識技術に関する研究として,低消費電力な行動認識システムを提案した.提案システムは求められる認識精度に応じて必要十分なセンサ構成に変更することで消費電力を削減する.また,人間の行動遷移情報を用いた行動予測および行動の粒度を考慮した適切な詳細度での認識によって認識精度を向上している.性能評価実験より,0.4%の認識精度低下に対しで消費電力を20%削減した.また,行動遷移および行動粒度を適用することで平均3.99%および4.74%認識精度が改善した.従来研究ではセンサの構成の変更は困難であったが,本研究は使用しないセンサの値を補完することでセンサ構成の変更を可能にし,消費電力と認識精度のトレードオフの柔軟な制御を実現している.本研究の成果は情報処理学会論文誌に採録されている. さらに,稼働中のセンサの消費電力を削減するためにセンサがPCに送信するデータサイズを削減する手法を提案した.センサとPC間の無線通信が一般的になり,センシングデータの転送に要する電力がセンサの稼働時間を縮めている.そこで,センシングデータのピークの形状は行動ごとに異なり,再現性も高いため状況認識に用いる特徴量として適していることに着目してデータサイズを削減する手法を提案した.具体的には,波形のピーク値のみを送信することでデータサイズを削減し,消費電力を低減する.実際の生活データを採取し変換前後のデータ量を比較したところ,判別性能は同等であるのに対しデータサイズを約97%削減した.本研究の成果はInternational Symposium on Ubiquitous Computing Systems(UCS2009)において発表している.また,第22回情報処理学会ユビキタスコンピューティングシステム研究会において発表した論文が優秀論文に選ばれた.
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Research Products
(18 results)