Research Abstract |
平成21年度は,申請課題における課題3として,肥満男性における身体活動強度が内臓脂肪に及ぼす影響を検討し,内臓脂肪減少を最大化する運動プログラム作成の基礎資料を得ることを目的に研究を遂行した.成人肥満男性37名(年齢:47.6±8.6歳)を対象に,週3回,1回90分の有酸素性運動を中心とした運動プログラムを12週間提供した.対象者を,12週間の運動プログラム期間中における高強度身体活動(6METs以上)に費やした時間(1軸加速度計で定量)の中央値(34.3分/週)で2群に分類し,CT法で測定した内臓脂肪面積への影響を比較検討した.その結果,高強度身体活動時間が少ない群で,内臓脂肪面積が188.1±53.9cm^2から170.3±46.6cm^2に減少し,多い群で167.9±44.3cm^2から137.9±40.6cm^2へといずれも有意に減少した.二元配置の分散分析の結果,両群間に変化の違いは認められなかったものの,相関分析を施したところ,高強度身体活動時間と内臓脂肪面積の変化に有意な関連が認められた(r=-0.33,P=0.04).また,プログラム開始前における内臓脂肪面積や高強度身体活動時間で調整後も同様の関連がみられた(r=-0.41,P=0.02).本研究の結果,高強度の身体活動に費やした時間が長い者ほど,内臓脂肪が大きく減ることを示唆しており,より効果的な運動プログラムを作成する上で,重要な知見となりうる.なお,本研究の成果は糖尿病学の専門誌であるDiabetes Research and Clinical Practice誌に採録が決まっている
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