2010 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピンのミンドロ島にのみ生息する絶滅危惧水牛タマラオ保全のための研究
Project/Area Number |
09J00274
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石原 慎矢 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 個体数変動 / 行動特性 / 内部寄生虫感染 / 火入れ |
Research Abstract |
イグリット-バコ国立公園におけるタマラオの個体数、行動特性調査 タマラオの大部分が生息するとされるイグリット-バコ国立公園にてタマラオの正確な個体数、健康状態および繁殖状況を把握するとともに、保全・増殖計画の基盤情報として必要な行動特性の解明を目的とし、2010年の4月に現地において調査を行った。本調査によってイグリット-バコ国立公園内に314頭のタマラオが生息していること、大部分のタマラオが群れを形成していること、さらにこれまでに蓄積したデータと合わせて5年間に渡るタマラオの個体数変動を解析したところ、全体個体数は5年間に渡り安定していることが明らかになった。これらにデータを合わせ、現在論文執筆中である(5月投稿予定)。 イグリット-バコ国立公園におけるタマラオ集団の生存を脅かす原因の特定 本研究では、イグリット-バコ国立公園におけるタマラオ集団の健康状態を評価するため、(1)国立公園内における火入れ前、火入れ後の草の栄養成分評価、(2)タマラオ糞を用いた内部寄生虫感染の有無の評価を試みた。(1)に関して火入れ前、火入れ後に採取された草Cogon(Imperata cylindrical)、Talahib (Sacccarum spontaneum)、およびその他草種、の3区において乾物収量あたりの栄養成分値はCogonにおける粗蛋白、粗脂肪および粗蛋白の3区平均値が火入れ後に有意に増加していたものの、全体で大きな変化は見られなかった。(2)に関して国立公園に採取された27個の糞に対し沈降法を用い検査したところ他の野生動物と比較して重篤な感染は見られなかった。これらの結果からタマラオの健康状態は良好であると推定された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Identification of tamaraw (Bubalus mindorensis) from outdoor-derived fecal samples by PCR-RFLP analysis of cytochrome b gene2010
Author(s)
Shinya ISHIHARA, Rommel J.HERRELA, Daichi IJIRI, Hisashi MATSUBAYASHI, Miho HIRABAYASHI, Arnel N.DEL BARRIO, Rodel M.BOYLES, Medardo M.EDUARTE, Ronilo L.SALAC, Libertado C. CRUZ, Yukio KANAI
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Journal Title
Animal Science Journal
Volume: 81
Pages: 635-641
Peer Reviewed
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[Journal Article] Present status of tamaraw (Bubalus mindorensis) in Mt. Aruyan, Mindoro, Philippines.2010
Author(s)
Matsubayashi, H., Boyles, R.M., Salac, R.L., Del Barrio, A.N., Cruz, L.C., Garcia, R.A., Ishihara, S., Kanai, Y.
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Journal Title
Tropics.
Volume: 18
Pages: 167-170
Peer Reviewed
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