2009 Fiscal Year Annual Research Report
ポストゲノム解析を利用した糸状菌の低酸素応答機構の解明
Project/Area Number |
09J00283
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
志水 元亨 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 低酸素条件 / 分岐鎖アミノ酸 / Aspergillus nidulans |
Research Abstract |
低酸素条件下における分岐鎖アミノ酸生合成の役割 糸状菌Aspergillus nidulansを低酸素条件下にて培養後、菌体および培地中の代謝物をGC-MSにて分析したところ、乳酸およびバリン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン酸を含む種々のアミノ酸が培地中に蓄積していた。好気条件下ではそれらは検出されなかった。また、プロテオミクスおよびリアルタイムPCRを用いた解析から、バリン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン酸の生合成が低酸素条件下において活性化していた。バリン、ロイシン、イソロイシン(分岐鎖アミノ酸)の生合成において初発の反応を触媒するアセト乳酸シンターゼ(AHAS)の酵素活性を測定したところ、好気条件下と比較して、低酸素条件下にて3.6倍高かった。さらに、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLDH)の活性も増加していた。分岐鎖アミノ酸の生合成はグルタミン酸をアミノ供与体として用いることから、分岐鎖アミノ酸の生合成に伴うグルタミン酸から2-オキソグルタル酸の生成と、GLDHによる2-オキソグルタル酸からグルタミン酸の生成が協調して機能することで、2つの反応(経路)を効率よく行なっていることが考えられた。また、野生株に比べて、Δahas-l株およびΔgldh株では培地中への分岐鎖アミノ酸およびグルタミン酸を含む種々のアミノ酸の蓄積量が大きく減少しおり、生育も悪くなっていた。低酸素条件下では、細胞内のNAD(P)H:NAD(P)^+バランスが高くなっており、分岐鎖アミノ酸の生合成とGLDHの協調に伴うNAD(P)^+への再酸化は、低酸素条件下において重要な役割を果たすことが示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Differential Expression of Sarcoplasmic and Myofibrillar Proteins of Rat Soleus Muscle during Denervation Atrophy.2009
Author(s)
Sato, Y., Shimizu, M., Mizunoya, W., Wariishi, H., Tatsumi, R., Buchman, V.L., Ikeuchi, Y.
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Journal Title
Bioscience, Biotechnology and Biochemistry 73
Pages: 1748-1756
Peer Reviewed
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