2009 Fiscal Year Annual Research Report
ブースティング法に基づくデータ解析 ―理論的拡張と多変量解析への応用―
Project/Area Number |
09J00302
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 賢一 Osaka University, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ブースティング / ミスラベルモデル / ロバストネス |
Research Abstract |
今年度の主な成果は,2本の論文を書き上げ投稿したことと,2回の学会発表である.まず,今年度の非対称ミスラベルモデルに対するブースティングの結果をまとめ,投稿した.これは,最も標準的なブースティングであるAdaBoostの拡張として見ることができる.また,特別の場合に,提案法とサンプリングバイアスや判別コストが異なる場合のブースティングが一致することを示した.次に,より自然なミスラベルモデルに対するブースティングを開発した.これはTakenouchi and Eguchi(2004)により提案されたロバストなブースティングであるEtaBoostの一般化とみることができるため,過学習を防ぐ方法としても有用である.この提案法では,真の判別境界の付近ではミスラベルが発生する確率が高く,判別境界から遠ざかるに従ってミスラベルが起こりにくくなるというモデルを想定している.これは「判別の困難な領域では,観測されたラベルが正しくない可能性が高い」という直観的に自然なモデリングであり,またアルゴリズムも自然な形で与えられるため,実質科学的に有意義でかつ計算量も比較的軽減することができる.さらに,提案法は最適な判別規則であるBayes規則を構成しうることも理論的に示した.これらの結果をまとめ,論文として投稿した.さらに大阪大学人間科学部で行われた科研費シンポジウムと,2009年統計関連学会連合大会において口頭発表した.同連合大会では,コンペティションセッションにおいて最優秀報告賞を受賞した.またブースティングの多変量解析への応用として,モデル選択と半教師学習についての研究を行うため,カリフォルニア大学バークレー校統計学部にて在外研究を行った.
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Research Products
(2 results)