2009 Fiscal Year Annual Research Report
太陽系外惑星の直接検出に向けた宇宙望遠鏡搭載中間赤外線コロナグラフの開発
Project/Area Number |
09J00310
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
櫨 香奈恵 The Graduate University for Advanced Studies, 物理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光学赤外線天文学 / 系外惑星直接観測 / コロナグラフ |
Research Abstract |
私の研究課題は、太陽系外惑星の直接観測という重要で挑戦的な課題に向けた「瞳マスクコロナグラフ観測装置」の開発である。以前には出来る限り単純化した装置を用いた原理検証に留まっていた実験を、21年度には世界で初めて広帯域・多波長域化することに成功した。従来のHe-Neレーザー光源から4つの波長をもつSLED(Super luminescent Light Emitting Diode)光源に変え、それぞれの中心光とその周りの暗領域(惑星光が検出できるほど中心の光を低減させた領域)のコントラストを求めた結果、650nmでは3.1×10^<-7>、750nmでは1.1×10^<-6>、800nmでは1.6×10^<-6>、そして850nmでは2.5×10^<-6>に到達し、すべての帯域でバイナリ瞳マスクコロナグラフによるコントラスト改善が確認された。これは最終的に装置を衛星搭載望遠鏡にとりつけて系外惑星を観測するために不可欠のマイルストーンである。 また、コロナグラフ観測装置の性能を大きく向上させる星像差分法の実証、実験を行なった。光学系の熱歪みを従来よりも低減することに成功した結果、星像差分法を使用した後のコントラストは差分前のコントラストより2桁も改善され、1.8×10^<-9>に到達した。現段階までに得られた成果をもとに、2本目の査読論文を執筆中である。 さらに実証実験を可視光波長域から(より惑星観測に適した)赤外波長域に拡張するための極低温実験チャンバーの開発でも進捗を得た。具体的には、中間赤外コロナグラフの性能を評価するための汎用性のある極低温真空テストベッドの開発を行なった。真空チャンバーの冷却試験に向けて、まず排気試験を行ない、チャンバーにリークがないことを確かめた。チャンバー内部にはワークサーフェスとラディエーションシールドを設置し、これらに断熱材を張り付け、放射による熱流入を抑えた環境を実現した。今後冷却試験を行ない、準備を完了したMILC-Tを用いて、高コントラスト中間赤外線コロナグラフの世界初の実証に挑む。
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Research Products
(3 results)