2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00316
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木下 裕介 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 持続可能社会 / シナリオ / 持続可能な製造業 / 論理構造 / 根拠 / XML / what-if分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、持続可能社会に向けたシナリオの理解、作成、分析を統合的に計算機支援するための方法論を提案し、その実現のためのシステムとして「3S Simulator」を開発することである。3S Simulatorでは、主に文章として記述されるシナリオ(例えばIPCCによる二酸化炭素排出シナリオなど)の合理的な理解に向けて、その論理構造を計算機で解読可能とする。すなわち、既存の様々なシナリオの分析に基づいて基本要素(仮定、事実、因果関係、論理的飛躍など)を抽出し、それらを用いてシナリオを構造化する。 本年度は、昨年度までに本研究で提案したシナリオの構造的な表現方法に基づいて、シミュレータの再利用による派生シナリオの作成方法を提案した。この結果、既存のシナリオ上で複数の起こりうる将来が検討可能になった。さらに、新たなシナリオを作成するためのプロセスについて基礎的な検討を行った。ケーススタディとして、提案した作成プロセスに沿って電気自動車の普及シナリオを作成した。この結果、本研究で提案したシナリオの構造的な表現方法と作成プロセスに基づいて、計算機上で新たな持続可能社会シナリオを記述できることが確認できた。今後の課題として、既存の様々なシナリオやシミュレータを3S Simulatorに集積することなどによって、シナリオ作成に対する計算機支援を充実させることが挙げられる。 このように計算機上でシナリオの理解、作成、分析を支援するシステムの構築は、Webを通じて世界各地で行われているシナリオ研究の成果を一元化させるために有用であり、結果的に持続可能社会シナリオの効率的な作成につながるものと期待している。
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Research Products
(9 results)