2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00324
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大原 啓志 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Cr含有疎水性シリカ / 可視光光酸化 / シクロアルカンの部分酸素化 |
Research Abstract |
本研究では、可視光応答型光触媒による選択的かつ効率的な有機合成反応の開発を目的としている。これまでに、可視光により活性化された単核のCr酸化物種がシクロヘキサンからシクロヘキサノンへの部分酸化に対して有効であることを見出している。本研究では、触媒表面を疎水化することにより、Cr酸化物種へのシクロヘキサンのアクセスを促進し、触媒活性を向上させることを目指した。 疎水性Cr-Si複合酸化物(Cr-Si)は、酸素存在下、可視光照射(>400nm)によりシクロヘキサンの部分酸化を触媒することを明らかにした。単核のCr種を持つCr-Siの合成は、混合比の異なる有機シラン(1,2-bis(triethoxysilyl)ethane : BTESE)と無機シラン(tetoraethylorthosilicate : TEOS)にCr(NO_3)_3を加え加水分解した後、焼成することにより行った。 いずれのCr-Si触媒を用いてもシクロヘキサンからシクロヘキサノン、シクロヘキサノールへの部分酸化は高い選択率(>99%)で進行する。また、BTESE混合比(BTESE/[BTESE+TEOS]×100)10%の触媒が最も高い触媒活性を示した。シクロヘキサン蒸気吸着測定と電子スピン共鳴測定より、BTESE混合比10%の触媒の方が0%の触媒よりも高い触媒活性を示すのは、触媒表面が疎水化され、光還元されたCr活性種へのシクロヘキサンのアクセスが促進されているためであることを明らかにした。一方、BTESE混合率20%以上の触媒では、焼成により細孔が収縮するため、崩壊した細孔内のCr種ヘシクロヘキサンがアクセスできず、触媒活性が低下することを明らかにした。
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Research Products
(1 results)