2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規配位子修飾による人工金属応答性ペプチドの創製と生理活性制御
Project/Area Number |
09J00330
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東 佑翼 Kyoto University, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Ida / bZIP / タンパク質修飾 / 構造スイッチ |
Research Abstract |
ペプチドやタンパク質の任意の位置に様々な修飾を施すことで、それらに新たな機能を付加することが可能になってきている。例えば典型的金属キレーターを模倣した構造を導入することで、高い親和性で金属に結合するペプチドを合成することができ、さらにそれらリガンド構造の導入位置によってペプチドの構造を金属イオンによって制御することができる。当研究室では、リジン誘導体であるイミノ二酢酸(Ida)をヘリックスペプチドの反対の面にあたる位置(i,i+2)に導入すると、金属の添加によってその構造が不安定化されることが見出されており、この現象が安定なヘリックス構造を持つペプチドの機能スイッチに応用できることが示されてきた。このようなIdaを用いる手法は、様々な金属応答性タンパク質の創製が期待される魅力的なアプローチであるにもかかわらず、タンパク質中で任意の位置にIdaを導入する方法がないために、その応用は合成ペプチドを用いた系に限られていた。今回、システイン選択的Ida化試薬であるN-(2-tosylthioethyl)iminodiaceticacid(Ts-S-IDA)を設計、合成し、酵母転写調節因子GCN4由来のbZIPドメインにIdaを導入することで、Co(II)に応答して構造とDNA結合能がスイッチする金属応答性タンパク質の創製に成功した。本結果は、Idaを用いたスイッチシステムが、合成ペプチドだけでなく、発現タンパク質の機能制御に有用であることを示すものである。さらに現在は、Ida以外のリガンド構造であるジピコリルアミン骨格のペプチド鎖への導入法の開発し、それをもつペプチドの金属に応答した構造変化について検討している。
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Research Products
(8 results)