2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規配位子修飾による人工金属応答性ペプチドの創製と生理活性制御
Project/Area Number |
09J00330
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東 佑翼 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ジピコリルアミン(Dpa) / 構造スイッチ / AP-1タンパク質ファミリー / ペプチド修飾 / 金属センサー |
Research Abstract |
イミノ二酢酸のようなキレート構造をペプチドやタンパク質に導入することで、高い親和性で金属イオンと結合するメタロペプチドを容易に作製することができる。本年度は、イミノ二酢酸に代わる新たな配位子としてジピコリルアミン(Dpa)を採用し、そのペプチド鎖への導入法と、Dpa骨格をもつペプチドの金属に応答した構造変化について検討した。Dpa骨格は、Mtt基をHFIP/DCM(1:4)カクテルを用いて選択的に脱保護した後、還元的アミノ化によって導入した。本方法により、固相上で非常に簡便に任意のリジン残基をDpaに変換できることが明らかとなった。 また、Dpaを導入したペプチドは、金属イオンに応答して大きく構造を変化させた。本年度は、その構造変化における金属の種類、Dpa部分のアルキル鎖長、Dpaの導入位置やその他の金属配位能を持つアミノ酸(ヒスチジン、アスパラギン酸など)との組み合わせ等について詳細に検討を行い、Dpa骨格を持つペプチドの特性を明らかにしてきた。例えば、ヘリックス性ペプチドの同じ面(i,i+4)にDpaとヒスチジンを導入した場合、アルキル鎖長は炭素2個、金属はニッケルを用いたときに顕著に高い構造安定性を持つことがわかった。現在は、AP-1ファミリータンパク質由来のDNA結合ドメインにDpa(アルキル鎖長C2)とヒスチジンを導入し、生体温度付近でも働く最小転写調節ペプチドの創製に取り組んでいる。 また、その他にもDpa含ペプチドの金属センサーとしての可能性についても検討を行っている。
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Research Products
(4 results)