2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00360
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡本 武志 Osaka University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 炭化ケイ素 / SiC / 研磨 / エッチング / 平坦化 / 触媒 / 白金 / フッ化水素酸 |
Research Abstract |
次世代省エネルギー半導体デバイス用基板として注目されている炭化ケイ素(SiC)は高硬度かつ化学的に安定で加工が難しい材料である.そのためSiCの平坦化加工技術は確立されておらず開発が急務となっている.これまでに触媒を用いた新しい加工法である触媒表面基準エッチング法の開発を行い既存技術以上に平里かつ結晶性のよいSiC表面が得られている.しかし平坦な部分は基板のごく一部であり実用化へ向けた評価を行うことが困難であった.そこで本年度は実用化へ向け基板全面に渡り平坦な表面を作製し,デバイス評価を行い,さらに加工メカニズムの解明のための実験を行うことを目的とした. まず基板の全面平坦化を試みた.これまで平坦性を悪化させていた原因が白金触媒盤表面の塑性変形であることがわかった.そこで新たな触媒盤として塑性変形を起こしにくい軟質材上に白金を薄膜成膜した新たな触媒パッドを開発した.その結果,原子レベルで平坦な表面を基板全面に渡り作製することに成功した.また,平坦化した基板を用いデバイスを作製したところ,性能の改善がみられ,さらに素子ごとのバラツキも減少した.このことから本加工法により平坦化を行った基板を用いることで市販基板よりデバイス性能の改善と,歩留まり向上が期待できる. 次に加工メカニズム解明のための実験を行った.これまでに加工メカニズムとしては,SiCと白金の接触することによるSiC表面の酸化と,その酸化膜のフッ化水素酸溶液へのエッチングであると予想した.本メカニズムにおいて,溶液はエッチングのみに寄与しており,現在の加工速度(~100nm/h)を考えれば溶液濃度は5%程度でも十分加工が行えると考えられる.そこでフッ化水素酸濃度の低濃度化を行った.その結果30%以下では加工が進まないことがわかった.このことから溶液がSiC表面の酸化にも寄与していると考えている.今後詳細に検討することで溶液の低濃度化や加工速度の向上を目指す.
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Research Products
(12 results)