2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00439
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
服部 寛 Tohoku Gakuin University, 法学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 法律学方法論 / 利益衡量論 / 比較衡量論 / 利益法学 / フープマン |
Research Abstract |
今年度は、まず、新しい受入先機関で研究環境の構築を行いつつ本研究課題の基礎の確立に努め、これまで従事してきた研究との関連から、フープマンの衡量論について、先にその検討を行った博士論文の公表に際して読解を深め、利益法学から評価法学への展開における衡量の問題を考える足固めを行った。また、これまでの研究を基に、日本の前世紀の方法論の展開一般と併せて、日本の利益衡量論の史的展開について、その二大論者である加藤一郎・星野英一の師・我妻栄の方法論との関連性に特に着目して、その思想水脈の突き止めを試みた(その本格的検討は次年度に予定するも本年度で先行的に着手した)。 そして、昨年9月に北京で開催された国際法哲学社会哲学連合の世界大会で衡量論に関するスペシャル・ワークショップが組まれ、同所で、上記の日本の利益衡量論やフープマンの衡量論などに関する現時点(当時)の考察を報告した。同ワークショップの中心テーマがドイツの代表的論者であるアレクシーの衡量論だったこともあり、次年度に予定をしていた同人の衡量論の検討を先行して行うことになったが、衡量論に関する世界的・最先端の関心を窺うことができ、本研究の意義を考える上でも非常に有益であった。11月には、関西大学の加藤法哲学文庫で資料収集を行い、また同大学で開催された日本法哲学会学術大会に出席し、環境法の予防原則・比例原則をめぐる議論などを通じて衡量論の今日的射程を確認した。 本年度の本来的予定に関しては、上記のフープマンの検討のほか、ヘックとイザイの議論の検討を通じて利益法学における衡量の位置づけを検討した。憲法学における衡量については、アメリカの議論を導きの糸として資料収集に努め、上記のドイツの議論と関連させつつ問題の分析に従事しており、その他にも、刑法学における法益概念を巡る議論のほか、利益の概念史などの資料収集・読解を進めている。
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Research Products
(3 results)