2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型物質変換プロセスを指向した新規固体触媒の開発
Project/Area Number |
09J00455
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三上 祐輔 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 銀ナノ粒子 / 金ナノ粒子 / ハイドロタルサイト / 脱酸素反応 / 芳香族ニトロ化合物 / アミド / ハイドロキシアパタイト / 固体触媒 |
Research Abstract |
無機結晶性化合物表面上にサイズ制御して創製した金属ナノ粒子の触媒作用を検討した。特に、塩基性層状無機化合物であるハイドロタルサイトに銀ナノ粒子および金ナノ粒子を固定化した新規触媒を用いた高効率有機合成反応系の開発を中心に行った。 1.ハイドロタルサイト固定化銀ナノ粒子触媒を用いたエポキシドの選択的還元反応 ハイドロタルサイト表面に銀ナノ粒子を固定化した、銀ナノ粒子固定化ハイドロタルサイト(Ag/HT)を開発した。Ag/HTは、種々の官能基を有するエポキシドからアルケンへの還元反応において、極めて高い選択性を有し、オキシラン環のみを選択的にアルケンへ変換できる。生成物の選択性は99%以上であり、この値はこれまでに報告された触媒系の中でも最も高い値である。本研究成果は、Tetrahedron Lettersに掲載された。 2.ハイドロキシアパタイト固定化金ナノ粒子触媒によるアミド化合物の脱酸素反応 ハイドロキシアパタイト表面に固定化した金ナノ粒子(Au/HAP)が、ヒドロシランを還元剤とするアミドからアミンへの脱酸素反応に高い活性を示すことを見出した。Au/HAPを用いると、従来の触媒系よりも非常に温和な条件下で、種々のアミンを高効率で合成できる。本触媒により従来は均一系触媒を用いて行われてきた反応系を汎用性の高い固体触媒で代替できる。本研究成果は、Chemistry A European Journalに掲載された。
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Research Products
(9 results)