2009 Fiscal Year Annual Research Report
アリ-カイガラムシ-オオバギ三者共生系に生じる利害関係の解明
Project/Area Number |
09J00458
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
半田 千尋 Kyoto University, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アリ / アリ植物 / オオバギ(Macaranga) / カイガラムシ / 共生 / 相利 / 東南アジア / 熱帯雨林 |
Research Abstract |
私はこれまで、茎内に共生させたアリに防衛を依存するアリ植物オオバギとその茎内に共生するアリおよびカイガラムシの三者共生系を対象として「生態が未解明であるカイガラムシの本系における役割を明らかにする」と共に、「三者共生系が存続する機構を解明すること」を目的として研究を進めてきた。2009年度は、マレーシア、サラワク州、ランビルヒルズ国立公園において、これまでに栽培施設内で栽培してきたオオバギ実生株を用い、カイガラムシの有無を操作する実験を行った。具体的には、アリのみが存在するオオバギ実生株を用いて、一部の株にカイガラムシを導入する処理を行い、残りの株をコントロールとしてアリのみが存在する状態を維持して栽培を続けた。その結果、アリ-カイガラムシ-オオバギ三者共生系の存続においてカイガラムシが重要である可能性が示唆された。この成果は日本生態学会第57回大会において発表し、さらに第54回日本応用動物昆虫学会大会においても発表内容の一部とした。また、これまでに行ってきたアリ-カイガラムシ-オオバギ三者共生系における三者関係の時間的推移の研究について、2009年度にはデータ補強を行った。具体的には、様々な成長段階にあるオオバギを伐倒し、アリ、カイガラムシ、オオバギ各者のバイオマス測定を行った。その結果、三者のバイオマス比はオオバギの成長を通して必ずしも一定ではなく、三者間の力関係の時間的変化は種によって異なっている可能性が示唆された。この成果は第54回日本応用動物昆虫学会大会において発表内容の一部とした。
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[Journal Article] Development of allometric relationships for accurate estimation of above- and below-ground biomass in tropical secondary forests in Sarawak, Malaysia2009
Author(s)
Tanaka Kenzo, Tomoaki Ichie, Daisuke Hattori, Takao Itioka, Chihiro Handa, Tadabiro Ohkubo, Joseph Jawa Kendawang, Masashi Nakamura, Mari Sakaguchi, Narumi Takahashi, Mayumi Okamoto, Ayumi Tanaka-Oda, Katsutoshi Sakurai, Ikuo Ninomiya
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Journal Title
Journal of Tropical Ecology Volume 25
Pages: 371-386
Peer Reviewed
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