2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00464
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
有村 拓晃 Osaka University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | La添加Higher-k絶縁膜 / X線光電子分光法 / La深さ方向分布評価 / 界面ダイポール / トランジスタ作製プロセスの確立 |
Research Abstract |
MOSデバイスの今後更なる高性能化は超高誘電率(Higher-k)絶縁膜の導入、さらには閾値電圧の精密制御を必要としている。現行のHf系高誘電率(High-k)膜へのLa添加技術は下地SiO_2膜へのLa拡散が絶縁膜の平均的な誘電率を向上させることで知られている。さらに下地SiO_2膜とHigh-k膜界面にLaが形成する界面ダイポールを利用した閾値電圧制御技術も注目を集めている。このため、高温アニール時のLaの拡散現象の理解は、La添加High-k膜を実デバイスに導入する上で非常に重要な知見となる。そこで今年度はまず、La添加を行ったTiN/HfLaSiO/SiO_2/Si MOSキャパシタ試料に後工程としての熱処理を施した際のLaの拡散現象をX線光電子分光法で評価した。その結果、750℃以下の熱処理後はLaのプロファイル変化を示す結果は見られなかったものの、900℃の高温熱処理後はLaがこれまで考えられていた下地SiO_2側ではなくメタル電極側へ上方拡散し、High-k膜表面にLaSiO層を形成することが分かった。さらにその際、High-k/SiO_2界面でのLa組成が減少することに伴い、界面ダイポールの強度が低下することも確認した。これらの研究成果については、英文論文誌Journal of Applied Physicsに投稿し、掲載された。またHfLaSiO膜を絶縁膜としたトランジスタを自作するためにも、まずは簡易的なTiN/SiO_2/Siゲートスタック構造を有したトランジスタを作製したところ、正常なトランジスタ特性を確認し、トランジスタ作製プロセスの確立に成功した。そこで現在、本来の目標であるHfLaSiO絶縁膜を用いたトランジスタの作製を進めている最中である。
|
Research Products
(7 results)