2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外環境に応答したリボソームRNA遺伝子のメチル化制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
09J00486
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤村 亜紀子 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | DNAメチル化 / 細胞外環境 / rRNA / コンタクトインヒビション / DNMT |
Research Abstract |
細胞外環境に応じたrDNAのメチル化状態の変化について、rRNA転写抑制因子NMLによるDNAメチル化酵素(DNMT)の制御に着目し、その分子メカニズムを明らかにすることを目的とし、研究を進めている。 rDNAのメチル化状態が変化するとrRNA転写量が変化すると考えられるため、まず、細胞外環境を変化させた細胞におけるrRNA転写量を定量RT-PCR法を用いて検討した。培養液中のグルコース濃度、血清濃度や酸素濃度、細胞密度を変化させたときに、rRNA転写量が変化した。また、rDNAメチル化状態を検討したところ、培養液中のグルコース濃度、血清濃度や酸素濃度を変化させたときにはrDNAのメチル化状態は変化しなかったが、細胞密度を上げたときには、rDNAのメチル化状態が上昇した。このことから、細胞密度が高くなり、コンタクトインヒビションがかかって細胞増殖が抑制された状態では、rDNAのメチル化が亢進しrRNA転写が抑制されることが示唆された。NMLはDNMTと複合体を形成することを明らかにしており、細胞密度の高い状態でのrDNAのメチル化にNML・DNMT複合体が関与していることが考えられた。そこで次に、クロマチン免疫沈降法を用いて、rDNA上へのNML・DNMT複合体のリクルートについて解析した。その結果、細胞密度の高い状態では、NML、DNMT3BがrDNA上への結合を強めていることが明らかになった。さらに、NMLをノックダウンするとDNMT3BのrDNA上への結合が弱まることも示された。これらのことから、NMLはDNMT3BのrDNA上へのリクルートに関与し、細胞外環境に応じたrDNAメチル化の制御を行うことが考えられる。
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Research Products
(2 results)