2010 Fiscal Year Annual Research Report
3次共生に伴う真核共生体退化核ゲノム構造と縮退過程の解明
Project/Area Number |
09J00508
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松本 拓也 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ヌクレオモルフ / Lepidodinium / 葉緑体 / 3次共生 / 渦鞭毛藻類 |
Research Abstract |
本研究では、緑色渦鞭毛藻類Lepidodinium chlorophorumが持つ、共生藻退化核であるヌクレオモルフ(Nm)の探索を行っている。Lepidodinium葉緑体周辺区画内には、2重膜に囲まれ、穴の空いた構造体が電子顕微鏡観察により確認されている。葉緑体周辺区画は共生緑藻のかつての細胞質に相当し、そこに存在する2重膜構造体は退化・縮小した緑藻核、すなわちNmではないかと考えられている。しかし、Nm様構造体は、電子顕微鏡写真により確認されているだけで、DNAの存在は未知である。本研究では、EST解析を行い、ヌクレオモルフゲノムの構造を決定する。そして、クリプト藻類、クロララクニオン藻類が持つヌクレオモルフゲノム構造と比較することにより、真核共生体核ゲノムの縮退過程の解明を目的とする。 H22年度では、H21年度に獲得されたL.chlorophorumが持つヌクレオモルフにコードされていると考えられる小サブユニットrRNA、大サブユニットrRNA配列をもとにin situハイブリダイゼーションに用いるプローブを作成し、顕微鏡観察を行う事を予定していたが、震災の影響により蛍光顕微鏡が使用できず、H23年度に繰り越して観察を行った。in situハイブリダイゼーションを行い、rRNA転写物の検出を行ったが、ホスト核由来rRNAのプローブを用いたコントロール実験も成功しなかった。今回用いた固定法が、本研究生物には合っていなかったためだと考えられる。H23年度以降は、固定法の再検討を行う。また、抽出したtotal RNAを用いて網羅的発現遺伝子(Expression Sequence Tag)解析に用いるcDNAライブラリーを作成した。H23年度にシークエンスを行う。
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[Presentation] Green-colored plastids in the dinoflagellate genus Lepidodinium are of core chlorophyte origin2010
Author(s)
Takuya Matsumoto, Fumihiko Shinozaki, Tomoko Chikuni, Akinori Yabuki, Kiyotaka Takishita, Masanobu Kawachi, Takuro Nakayama, Isao Inouye, Tetsuo Hashimoto, Yuji Inagaki
Organizer
The 18th meeting of the International Society for Evolutionary Protistology
Place of Presentation
Ishikawa Prefectural Museum of Art, Kanazawa, Ishikawa
Year and Date
20100702-20100707