2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00526
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
原田 春美 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | A170 / 摂食調節 / レプチン / 過食 / メタボリックシンドローム / レプチン抵抗性 |
Research Abstract |
酸化ストレス誘導タンパク質A170を欠損させたマウスは過食を示し、加齢に伴った肥満症を呈することがこれまでに明らかとなっているが、その詳細なメカニズムおよび生体内におけるA170タンパク質の機能は不明であった。21年度はAl70タンパク質と相互作用する因子の網羅的解析およびレプチンシグナル伝達因子の活性化に注目して研究を行った。マウス視床下部組織を用いた免疫沈降法あるいはGST融合タンパク質を用いたプルダウンアッセイを用いてLC-MS/MSにより相互作用する因子の網羅的解析を行ったが、定常状態ではこれまでに摂食調節に関与することが知られている因子との相互作用は確認できなかった。 A170タンパク質は誘導性の因子であることから、何らかの刺激によって発現量が増加し他分子との相互作用が誘発される可能性が考えられた。また、レプチンによる摂食調節において転写因子STAT3のリン酸化による活性化が非常に重要であることが知られているが、Al70欠損マウスでは定常状態およびレプチン刺激時において野生型とSTAT3リン酸化レベルに差が認められないことを見出した。一般にSTAT3リン酸化レベルが低下することによってレプチン抵抗性が惹起され、過食および肥満が誘導されることが知られている。本研究結果はA170欠損マウスにおけるレプチン抵抗性発症のメカニズムが既知のものと異なることを示唆するものと考えられる。レプチン抵抗性発症のメカニズム解明は肥満症の予防および治療における主要な課題の一つであり、Al70タンパク質の機能解明はレプチンシグナル伝達に関与する新たな因子として重要である。
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Research Products
(5 results)