2010 Fiscal Year Annual Research Report
炭素-水素及び炭素-炭素結合の切断をへる芳香族化合物の触媒的連続置換反応
Project/Area Number |
09J00543
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮坂 充 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 炭素-水素結合切断 / 酸化カップリング反応 / パラジウム触媒 / アゾール / 有機蛍光材料 / スルホキシイミン / 銅触媒 / ポリフルオロアレーン |
Research Abstract |
近年、炭素-水素結合の切断を伴った直接的な交差カップリング反応は、有機金属試薬を用いる従来の方法に比べ、アトム及びステップエコノミーの観点から有用であり、活発な研究対象となっている。その中でも、二つの炭素-水素結合の切断を伴うカップリング反応は特に効率がよい。そこで本研究では、これまでほとんど報告例のないパラジウム触媒を用いるアゾール類とアルケンの二つの炭素-水素結合の切断を伴う、多置換5-アルケニルアゾールの合成法の開発について検討した。その結果、触媒として酢酸パラジウム、酸化剤として酢酸銀を用いることにより、効率よく反応が進行することを見出した。さらに、2-メチルチアゾールに対して直接アルケニル化した後、逐次的に官能基変換を行うことにより、固体蛍光特性を示す2,5-ジアルケニルチアゾールを簡便に合成することにも成功した。 また、直接的な炭素-炭素結合形成反応だけではなく、炭素-窒素結合形成反応もまた広く興味が持たれている。特に、窒素-硫黄二重結合を持つスルホキシイミン類は、光学活性を有し、生理活性の面からも有用な化合物である。そこで、アゾールやポリフルオロアレーン類の炭素-水素結合とスルホキシイミン類の窒素-水素結合の切断を伴った炭素-窒素形成反応について検討した。その結果、銅触媒存在下、空気下室温という、非常に穏和な条件下で酸化カップリング反応が進行し、収率良く目的のN-アリールスルホキシイミン類を得ることができた。さらに、光学活性なスルホキシイミンを出発原料に用いることにより、立体を保持して反応が進行することを明らかにした。
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Research Products
(4 results)