2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳動脈瘤発生増大に対するプロスタグランディンの役割の解析
Project/Area Number |
09J00550
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青木 友浩 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 血管生物学 / 脳動脈瘤 / プロスタグランディン / 炎症 / 脳卒中 / 分子生物学 / 遺伝子改変動物 / 創薬 |
Research Abstract |
1脳動脈瘤形成に寄与するProstaglandin受容体の同定 Prostaglandin受容体の各ノックアウトマウスに脳動脈瘤誘発術を施行し、脳動脈瘤形成を病理学的に評価した。その結果、EP2欠損マウスでのみ有意に脳動脈瘤形成が抑制された。さらに、免疫染色とwesterb blot法により脳血管においての炎症反応(NF-kappaB活性化、IL-1β,iNOS,MMP発現)が抑制されている事を確認した。これらの結果から、脳動脈瘤形成にはProstaglandinE2-EP2経路が関与していることが示唆された。 2In vitroの系での内皮細胞でのEP2受容体の機能解析 マウスの脳血管の内皮細胞の初代培養法確立は成功していないため、ヒトの頚動脈由来の初代培養内皮細胞を使用した。この細胞では、ProstaglandinE2刺激により容量依存的にNF-kappaBの活性化とMCP-1の発現上昇を認めた。各種EP受容体刺激薬を用いてMCP-1の発現亢進作用を確認したがEP2受容体刺激薬でのみ効果を確認でき、in vivoでの結果と合致していた。EP2ノックダウンによりEP2刺激薬によるMCP-1発現亢進作用が阻害されることから、確かにEP2受容体が情報伝達を仲介していることを確認した。 3血行ストレスと脳動脈瘤 脳動脈瘤は血行ストレスにより誘発される疾患である。しかし、実際に血行ストレスから脳動脈瘤形成にいたる分子機序は不明である。そのため、内皮細胞に血行ストレスを負荷することにより生じる変化をprostaglandin産生に注目して解析した。血行ストレスは既報により1.5Paとした。このストレスにより内皮細胞においcyclooxygenase-2の発現が有意に上昇した。すなわち、血行ストレスがprostaglandin産生を直接制御することが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)