Research Abstract |
今年度は,動画像から顔追跡・認識を同時に行うための顔モデルの構築を行い,構築した顔のモデルの追跡・認識精度について評価を行った.従来,顔追跡・認識には,それぞれ異なった特徴量を用いていた.本研究では,1つの共通の特徴量を用いて顔の追跡と認識を同時に行い,従来の追跡,認識に対してそれぞれ特徴抽出を行っていた場合と比較して,特徴抽出の計算コストを抑え,効率よく動画像から顔追跡,認識を行う.具体的には(1)AdaBoost M1アルゴリズムによる顔追跡,認識に有効な特徴量の選択,識別器の構成(2)得られた顔モデルを用いた顔追跡,認識(3)追跡結果に基づく顔モデルの再構築と追跡,認識の精度評価を行った.顔追跡,認識に対して有効な特徴量の選択では,データベース内の各人物の様々な方向を向いた顔画像と非顔画像から,特徴抽出に計算コストの低いHaarウェーブレット特徴量を用いて学習を行い,テスト画像を用いてAdaBoost識別器の評価を行うことにより,特徴点を選択し,モデルを構築した.得られたモデルを用いて実際の動画像からの顔追跡・認識を行った.このことにより,顔認識に有効な特徴量のみを選択し,効率よく追跡,認識が可能となる.追跡,認識には,3次元位置仮説を発生させ,顔の存在確率を近似計算することにより実装した.その結果,複数の動画像を用いた複数の人物を同時に追跡,認識することに成功した.さらに,追跡結果を学習画像に加え,顔モデルを再構築した.その結果,もとの顔モデルで追跡を行った場合と比較して,追跡,認識の精度が向上することが確認できた.
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