2009 Fiscal Year Annual Research Report
ファイバ型位相シフト点光源回折干渉計による非球面光学素子の絶対形状計測
Project/Area Number |
09J00572
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松浦 敏晋 Osaka University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 位相シフト点光源回折干渉計 / 光ファイバ / 非球面形状計測 / デジタルホログラフィ |
Research Abstract |
点光源回折干渉計(PDI : Point Diffraction Interferometer)はその原理から高精度な絶対形状計測が可能である。しかし、従来のPDIでは、干渉計測の参照面となる回折球面波を発生させる微小開口を1つしか用いないため、非球面ミラーを計測対象とした場合は干渉縞の縞密度が高くなり、計測することができない。そこで、非球面ミラーであっても干渉縞を取得するため、微小開口を2つ用い、一方を被検波面用、他方を参照波面用とする手法を提案した。さらに、微小開口にはシングルモード光ファイバのコアを用いた。2つの光ファイバを任意の位置に設置することにより、非球面ミラーであっても干渉縞を取得することが可能となった。 干渉計測においては、計測面上で得られた被検波面の波面形状がそのまま計測対象の形状を示す。しかし、非球面ミラーで反射された被検波面はその形状により様々な方向へ反射し、波面は変化しながら伝播するため、ミラー形状を得るには波面の伝播解析が必要である。そこで、デジタルホログラフィによる波面伝播解析法を開発し、計測面上で得られた被検波面の位相および強度分布からミラー形状を得ることに成功した。 開発したPDIの計測精度評価のために、直径200mm、曲率半径1500mmの球面形状の凹面ミラーの計測を行った。計測結果から、真球面からのずれ量はPV50nmであったが、ミラーを光軸回りに90度回転させた前後の計測結果はPV2.0nm、rms0.85nmで一致した。次に、直径110mm、曲率半径1000mmの非球面ミラーの計測を行った。計測結果から、非球面量は10□mであった。また、球面計測と同様にミラーを光軸回りに90度回転させた前後の計測結果は、PV5nm、rms1.2nmで一致した。10□mもの非球面量を持ったミラーはもちろん従来のPDIでは計測することはできず、三次元計測器を用いる必要があったが、市販されている三次元測定器では50nm程度の精度しかなく、今回開発した手法により、はるかに高精度な非球面計測が可能となった。
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Research Products
(8 results)