2009 Fiscal Year Annual Research Report
ベシクルを用いた超並列サスペンジョン型反応場の構築
Project/Area Number |
09J00576
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐伯 大輔 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 小胞型マイクロリアクター / W / O / Wエマルション / マイクロカプセル / マイクロ流体デバイス / 無細胞タンパク質合成 |
Research Abstract |
本研究では、両親媒性分子の二分子膜からなる閉鎖小胞体であるベシクルを反応場として捉え、サスペンジョン中のベシクル内部の閉鎖空間において、酵素反応などの生体反応を超並列的に進めることのできる反応場の構築を目指す。本年度は(1)反応場となる微小小胞の調製技術の確立、(2)微小小胞に対し、異なる物質を分注する技術の開発を行った。(1)に関して、反応場としては当初ベシクルを検討する予定であったが、強度の観点からより操作性の良いアルギン酸(Alg)のマイクロカプセルを検討した。まず、マイクロ流体デバイスを用いてW/O/W液滴の調製する方法を開発した。これにより、液滴径を均一に制御し、内水相に対し極めて高効率に物質を内包化することができた。個々の液滴に対して粒子を内包化し、その内包数を確率論的に制御することも可能であり、(2)の実現の見通しもたった。次に、マイクロ流体デバイスにより調製されたW/O/W液滴を基材として用い、アルギン酸カルシウムのマイクロビーズを作製する方法の確立を試みた。内水相にアルギン酸ナトリウム、外水相に塩化カルシウムを添加してW/O/W液滴を調製し、内外の水相間に浸透圧差を発生させて液滴を崩壊させることで、粒径、形状の均一なアルギン酸カルシウムのマイクロビーズを作製することができた。得られたアルギン酸カルシウムのマイクロビーズの表面をカチオン性ポリマー(ポリエチレンイミン、PEI)でコーティングすることで、ポリイオンコンプレックスで構成されるAlg/PEIマイクロカプセルを作製することができた。 検討項目2:硝化細菌群が優占化した生物膜でのN2O発生調査小型の密閉型散水ろ床リアクタ-を4台用いて,高酸素濃度(NO2無添加,高酸素濃度/NO2添加,低酸素濃度/NO2無添加および1邸菱素濃度/NO2添加の4系タ嘘の同時運転を行い,N2O生成量を調査した。本実験は,下水処理場の活性汚泥を十分に希釈したものを植種して,硝化反応が確認された後(運転開始20日程度)すぐに行った。また,-回目の運転条件変更後通常運転を挟んで,二回目の運転条件の変更を行った(-回目と二回目では,各リアクターとも運転条件が異なる)。得られた結果は-,二回目とも同じ傾向であり,低酸素濃度/NO2そ添加条件においてN2O生成率が最も高く,平均でも除去されたNH4+の二割以上がN2Oとして放出されたことが示された。前年度の結果(運転200日以上の成熟した生物膜)でも,低酸素濃度γNO2添加条件でのN2O生成率が最も高かったが,その値は5%程度であった。これらの結果を比較より,未熟な生物膜より成熟した生物膜の方が,N2O発生量を抑制できることが示唆された。
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Research Products
(8 results)