2011 Fiscal Year Annual Research Report
光学技術を応用したマルチニューロン計測と神経回路網の機能解析
Project/Area Number |
09J00588
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
本蔵 直樹 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 神経回路 / 多光子励起顕微鏡 / Ca^<2+>イメージング / in vivoイメージング |
Research Abstract |
生体光イメージングにおいて、組織深部の観察は容易ではない。実際、大脳皮質錐体細胞の神経活動のモニターとして近年用いられているCa^<2+>イメージングにおいても表層から100-300μm程度の深さまでしか計測できない。これではマウスの大脳皮質であっても2/3層に存在する細胞の計測が限界であり、4層以下の細胞機能計測およびそれとの結合解析にCa^<2+>イメージングを用いることは困難である。このような状況から様々なプローブにおいて深部イメージングが可能な系を立ち上げ、神経回路の機能結合を計測する方法論の開発が、早急に求められている。また本計画においてもこの機能結合を理解出来ないことには先に進まないととから、深部生体イメージング法の立ち上げに、取り掛かることとした。具体的には長波長化多光子顕微鏡を用いて、非線形光学効果を利用した綱胞膜電位計測および深部Ca^<2+>イメージングの系を創り上げることを短期の目標とした。その初期段階として、現時点で生体深部イメージングが現段階でどの深さまで観察できるのか調べた。他の論文等の報告では、大脳皮質ではおおよそ深部1mm程度の深さまでが限界との報告が多い中、我々が立ち上げた新規顕微鏡では、1.5mm以上深い領域まで観察でき、大脳皮質を超え基底核である線条体の上部のイメージングをも可能とした。さらなる深部も観察可能と思われるが、現状存在している対物レンズの作動距離の関係からこれ以上の深さは物理的に観察できないが、この部分は顕微鏡メーカーとの共同研究で、将来解決する見込みである。この方法論を用いてCa^<2+>イメージングを行えば、4層、5層の錐体細胞での神経活動のモニターも可能であると思われるため、今後そこに注視して研究を継続していきたいと考えている。
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Research Products
(3 results)