2009 Fiscal Year Annual Research Report
渦鞭毛藻由来の抗腫瘍性マクロリド・アンフィジノリドNならびに関連化合物の構造研究
Project/Area Number |
09J00633
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 洋平 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 抗腫瘍性マクロリド / アンフィジノリドN / 海洋天然物 / 渦鞭毛藻 / 立体化学 / アンフィジノリドQ / アンフィジノリドV |
Research Abstract |
本研究では、新しいタイプの抗癌剤リード化合物として期待されている渦鞭毛藻由来マクロリド、アンフィジノリドNおよびその関連化合物の絶対立体配置の解明を目的としている。いずれも手元にある化合物量が数mgに限られているため、立体化学の解析にはできる限りスペクトルデータの解析や計算化学等の非破壊な方法を用いることとしている。本年度は、アンフィジノリドNの各種二次元NMRスペクトルを解析し、得られた^1H-^1Hおよび^<13>C-^1H間の結合定数とNOESYスペクトルのデータをもとに、JBCA(J-based configuration analysis)法によりC-1~C-5、C-14~C-21、C-24~C-25の相対立体配置を推定した。また、アンフィジノリドNの関連化合物アンフィジノリドQに関し、昨年度推定した絶対立体配置をもとに立体選択的に合成された化合物の各種スペクトルデータを天然物のデータと比較した結果、非常に良い一致を示すことが明らかになった。さらに、同じく関連化合物のアンフィジノリドVに関し、天然物の相対立体配置に基づき立体選択的に合成された2種のエナンチオマーのCDスペクトルおよびHPLC保持時間を天然物のデータと比較することにより、天然物の絶対立体配置を明らかにした。また、合成されたアンフィジノリドVおよび数種のアナログ体の細胞毒性を評価した結果、天然物と同じ構造をもつ化合物が最も強い値を示すことが分かった。 来年度は、アンフィジノリドNの絶対立体配置の解明に向け、本年度行ったスペクトルデータの解析に基づき、推定した相対立体配置に対応する各セグメントの合成を検討していく予定である。
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Research Products
(2 results)